英検準1級「語彙問題」の勉強法を徹底解説

英検準1級語彙問題

今回の講義は、英検準1級のリーディングパート大問1「語彙問題」の対策です。

単語を覚える以外に、対策なんてあるんですか??
もちろん覚えるのは大前提。その上で解き方にちょっとしたコツがあるんです

大切なので繰り返しますが、
英検準1級に合格するためには、一般的な英語能力を高めておくことはもちろんですが、それに加えて、「英検に固有の問題形式」を理解し、対策をしておくことが非常に大切になります。

テクニックばかりに目がいってはいけませんが、解答の「コツ」はあるということです。

では、さっそく始めましょう。

英検準1級の語彙問題の対策

具体的な対策としてはポイントが3つあるのですが、その説明に入る前に、大前提を共有させてください。

その大前提とは、「まずは一定程度の単語を覚えましょう」ということです。

ほらやっぱりー!
まあまあ。最後まで聞いてください

単語を覚える

「何を当たり前のことを」を思われますか?

ですが、英検準1級の大問1「語彙問題」では、ぜんぶで25問の出題があり、内訳は次のようになっています。

  • 単語問題:21問
  • 熟語問題:4問

この内訳が何を意味するか、わかりますか?

ズバリ、すべてが語彙問題だということです。

つまり、2級までのような文法問題はまったく姿を消し、純粋に単語(熟語)を知っているかいないかで勝負が決まってしまうんです。

POINT
英検準1級の大問1は「すべて」語彙問題!

これからお伝えする解法の手順を身につけていただければ、短時間に、正しい選択肢を選ぶことができるようにはなります。

ただ、それも一定程度の単語力があることが前提です。

英検準1級の語彙問題は、テクニックだけでは太刀打ちできません。

まずは、英検準1級用の単語帳をつかって、ひと通りの単語に目を通してください。そして、単語帳の8割程度は意味やイメージがピンとくるかな、といったレベルになってからつぎの段階へすすむようにしましょう。

よいですか?

はーい……

ちなみに、

英検準1級に合格するための単語を習得するには、以下の旺文社の「出る順パス単」にのっている単語をくりかえし覚えるのが、もっとも効率が良いです。(単語の選定が英検準1級にベストマッチで、とてもよくできた単語帳です。)

私もこの単語帳をつかって英検準1級に一発合格しました!

この他、英検準1級に合格するためのおすすめ参考書は以下の記事で紹介していますので、興味のある方はご覧ください。

>>>【英検一発合格】おすすめの参考書まとめ

その上で、これからお話する3つのポイントを押さえれば、英検準1級の語彙問題は合格レベルに達することが可能です。

では、いよいよ具体的な対策に入っていきますよ。ついてきてくださいね。

英検準1級の語彙問題対策:3つのポイント

ポイントは、以下の3つです。

  1. 選択肢→問題文の順に読む
  2. 制限時間を体感する
  3. 満点を目指さない

それぞれ、くわしく見ていきますよ。

具体的にお願いします!

選択肢→問題文の順に読む

長文問題では、選択肢から読んでいく手法はすでに一般的ですが、この解き方は「語彙問題」においても、とても有効です。

どんなふうに有効なのか。

それは、選択肢を先に見ることで、

  • 問題文の構造がわかりやすくなり
  • 結果的に早く問題が解ける

からです。

選択肢を見るときに意識する、具体的なポイントは「意味」と「品詞」のふたつです。

個別に説明しますよ。

意味

選択肢を先読みする際は、当然ですが、まずはその単語の意味を理解します。

ただ、ここですべての選択肢の意味がわかれば苦労しませんよね。

意味のわからない単語もでてくるでしょう。

とくに、英検準1級レベルになると、選択肢すべての単語の意味がわかることは稀かもしれません。

その場合には、その単語が「プラスの意味なのかマイナスの意味なのか」だけでも当たりをつけておきましょう。

単語帳で見たことはあるけど、詳しい意味は忘れちゃった。

でもたしか、、、マイナスな意味だったような気がする。これでも十分です。

問題文によっては、このイメージだけでも解ける場合があります。

頭にdis-ってついてたら否定的な意味、みたいなことですね

品詞

英検準1級を受けようとしているあなたであれば、すでに理解しているかもしれませんが、「品詞の理解」はとても重要です。

とくに英検では、選択肢の品詞は基本的に統一されていますから、品詞がわかるだけで、これから読む問題文の構造(どこに「空欄」があるか)がある程度推測できるんです。

問題文の構造がつかめると、解答時間をグッと縮めることが可能になります

また、「品詞の位置のパターン一覧」を以下の記事でまとめています。一度ご覧いただき「自分のモノ」にしてしまうと、語彙問題の解答時間をさらに縮めることができるようになります!

>>品詞の位置の基本パターンまとめ

問題の解き方のサンプル(実例)

ここまで、選択肢の「意味」と「品詞」に着目して解く、という方法についてお話ししてきました。

なんとなーく理解していただけたかとは思いますが

実際、どうやって解いていくのかイメージがわかない…

という状態かと思いますので、試しにやってみましょう。

【問題】
A:Did people at the museum like your work?
B:Yes. I got a lot of (  ). One person said that  they were the most beautiful  works she had ever seen.  

 

1. detectives     2. compliments     3. mysteries     4. disadvantages   

解き方の流れは以下のとおりです。

STEP.1
選択肢の単語をザッとチェック
 
①detectives:(名詞)刑事
②compliments:(名詞)褒め言葉
③mysteries:(名詞)謎、不可解なもの
④disadvantages:(名詞)不利な点、欠陥

STEP.2
穴埋め部分には「名詞」が入ることがわかる
問題文の穴埋め部分前後をチラッと見る。「I got a lot of(  )」に入れる単語を選ぶ。

(  )の前に a lot of があり、後ろはピリオドで文が終わっています。この時点で「たくさんの(  )を得た」と名詞が入ることがわかります。

※勘のいい方であれば、この時点で②compliments以外に当てはまりそうな選択肢はなさそうだな、という予測もついてしまいます。

たくさんの「刑事」を得た、とか明らかにありえませんもんね
STEP.3
問題文を読む
A:人々は/美術館で/あなたの作品を気に入っていましたか。/B:はい、わたしはたくさんの(  )をもらいました。/一人は言いました/それらはもっとも美しい作品だったと/彼女が今まで見た中で
STEP.4
当てはまる選択肢を選ぶ
正解:② 
※Bで「the most beautiful  works」と言っているので、プラスのニュアンスの単語が入ることが理解できれば、間違いなく②compliments(褒め言葉)であると確信できます

こんなふうに、

選択肢の「意味」と「品詞」、そして前後の文脈から効率的、かつ正確に正解を選ぶことが可能になります。

以上が、「選択肢→問題文の順に読む」の解説です。

つづいて2つ目のポイント「制限時間を体感する」を見ていきますよ。

制限時間を体感する

試験当日は、その試験があなたの中で大事な試験であればあるほど、緊張するものです。

緊張は、あなたの本気度に比例して大きくなる」という事実を、まずは受け止めてください。

緊張することは、全然悪いことではないんです。

これを受け止めたうえで、試験当日に舞い上がらず、問題に集中できるあなたをつくるために、やっておくべきことがあります。

それは、試験の解答時間を体感しておく、ということです。

POINT
解答時間を「頭で理解する」のではなく、「体感できている」こと。

具体的にお話ししましょう。


英検準1級における、リーディングとライティングをあわせた、いわゆる「筆記」全体での解答時間は90分です。

筆記全体での解答時間の理想的な配分は、おおよそ以下のとおりとなります。

区分 設問タイプ 問題数 1問あたり時間目安 時間配分
リーディング 語彙・語法(空所補充) 18問 1分 18分
長文の語句空所補充 6問 2分 12分
長文の内容一致選択 7問 2分 14分
リーディング合計 31問 44分
ライティング 英文要約(60〜70語) 1題 20分
意見英作文(120〜150語) 1題 25分
ライティング合計 2題 45分
筆記合計 33問 90分

※ 語彙は1問1分、長文は1問2分を目安にすると、リーディング44分+ライティング45分=合計90分で収まります。

上記のとおり、大問1の語彙問題は25分程度で終える必要があります。

英検準1級の語彙問題は全部で25問なので

つまり、1問あたりにかけられる時間は1分が目安ということです。

1問1分かぁ~。厳しい…

もちろん、各設問の難易度によって多少の前後は問題ありませんが、この「1問あたりに充てられる制限時間」を体感しておくことが、試験当日のペース配分、メンタルの落ち着きに大きく寄与します。

「ペース配分」「メンタルの安定」は合格に直結する要素です。

といっても、言葉で理解するだけではいまひとつピンとこないと思いますから、実際にやってみましょう。


以下に、英検準1級の過去問を用意しています。
これを、制限時間1分以内にできるかどうか、試してみてください。

時間を計るのが面倒だという方のために、1分間の開始と終了の音声を用意しました

以下の再生ボタンを押すと、鐘の音が2回鳴ります。
1回目の鐘がはじまりの合図、2回目の鐘が終了の合図です。

それでは、どうぞ

 

【問題】
Many analysts say the country is close to civil war. They believed the military will try to (          ) the current government and rule until an election can be held.

 

1. overrate     2. outsource     3. overthrow     4. outline  


どうでしたか。
答えが合っていたか間違っていたかも重要ですが、今の段階で大切なことは、1問あたりの制限時間を体感することです。

ちなみに、答えが間違っていた方は、せっかくのチャンスですから、この機会に選択肢の単語の意味は覚えてしまいましょう。こういったイレギュラーな場で出会った単語は、頭に残りやすいです。「『英検独学の教科書』で制限時間を計ったときにでてきた単語だ」といった周辺状況と合わせてインプットすると、忘れにくい単語になりますよ。

【解答】
多くのアナリストがその国は内乱寸前だと言っている。彼らは、軍が現在の政府を転覆させて、選挙の実施が可能になるまで支配するだろうと考えている。


1.過大評価する 2.外注する 3.を転覆させる 4.の概要を述べる
(正解は3)

やった!よくわかんないけど合ってた!
(ジロッ)

冗談ですって~

繰り返しますが、合っていたか間違っていたかよりも、今の「時間の感覚」を覚えておいてくださいね。

この感覚が、試験当日のあなたを支えてくれます。

満点を目指さない

最後のポイントです。

英検準1級に合格するためには、語彙問題で1問でも多く正解しておくことはもちろん大切ですが、

「知らない単語は、知らない」と割り切ることも、また大切です。

語彙問題というのは、長文読解のように、時間をかけて読めばわかるかもしれない、という可能性はとても低いです。

なので、可能な限り選択肢を切ったけど、これ以上はわからない、という状態になったら、あとは感覚でマークしてしまいましょう。

これは、先ほどお話しした「制限時間」の有効活用にもつながりますので、意識しておいてください。

あなたの目標は英検準1級に合格することであって、満点を取ることではないはずです。

POINT
可能な限り選択肢を切って、それでもわからなければ、感覚でマークする!

熟語の勉強について

冒頭で、英検準1級の語彙問題では「熟語」の問題が4問程度出題されるとお伝えしました。

熟語については、どうやって勉強すればいいのか。

ズバリ、熟語にターゲットを絞った勉強は必要ありません。

え、熟語対策は必要なし?

なぜなら、効率が悪すぎるからです。

英検準1級では、熟語の出題範囲は単語ほど定まっていません

そういった対象に対して、たとえ時間をかけて対策をしても4問程度しか出題されないのでは、時間対効果が悪いです。

繰り返しますが、あなたの目標は英検準1級で満点をとることではないですよね?

であれば、熟語については、ふだんの勉強の中で自然と覚えたもので勝負すれば十分です。

「これは絶対に違う」という選択肢だけを切って、残りは感覚でマークしてしまいましょう。

過去問の解答を徹底解説

ここまでで、英検準1級の大問1「語彙・単語問題」の解き方はわかっていただけたと思います。

あとは過去問を使って実践力を磨いていきましょう。

以下のページで、英検準1級の語彙問題の過去問の

  • 解答
  • 解き方

を、過去問を使ってくわしく解説していますので、ぜひ活用してください!

>>>英検準1級「過去問徹底解説」はこちら