英検準1級「穴埋め問題」の勉強法を徹底解説

英検準1級穴埋め

今回の講義は、英検準1級のリーディングパート大問2「長文の穴埋め問題」の対策です。

ここは点を稼げるパートだって聞いたことがあるんですけど…逆にプレッシャーです
ポイントを解説しますから、ついてきてください

大切なので繰り返しますが、
英検準1級に合格するためには、一般的な英語能力を高めておくことはもちろんですが、それに加えて、「英検に固有の問題形式」を理解し、対策をしておくことが非常に大切になります。

テクニックばかり追ってはいけませんが、「コツ」はあるということです。

では、さっそく始めましょう。

出題意図を理解すれば、正答率が上がる

まず、具体的な解法手順に入る前に、あなたに必ず知っておいてほしいことがあります。

これを知っているのといないのとでは、英検準1級の穴埋め問題の勉強効果に、大きな差が生まれるからです。

結論からお話しすると、
「英検準1級の穴埋め問題」では、文章の正確な理解までは求められておらず、「論旨(文の流れ)を正しく追えているかどうか」が試されている、ということです。

POINT
英検準1級の穴埋め問題は、「文の流れ」がつかめていれば解ける

え、文章を理解しなくても解けるんですか?(ウキウキ)
そこまでは言ってませんが…くわしく説明しましょう

英検準1級の「穴埋め問題」で問われていること

たとえば、大問1の「語彙問題」で問われているのは、単語(一部熟語)の知識です。

大問3の「長文読解問題」では、英文の内容を正確に理解しているかどうかを問われています。

整理すると

  • 大問1「語彙問題」:単語文法の知識
  • 大問3「長文読解」:英文の正確な理解

では「穴埋め問題」ではどうでしょうか。

「穴埋め問題」もある程度の分量がありますから、一見すると長文読解問題と同様に、文章の正確な理解度を問われていると思いがちですが、

これは少し違います。

同じ能力を問うのであれば、あえて違う形式で問題を作る必要はありませんからね。

穴埋め問題は、英文の正確な理解を求めているのではなく、「論旨を正しく追えているか」を問われているんです。

つまり、簡単に言ってしまえば、文章を完璧に読めていなくても、「流れ」が理解できていれば点を取れる、ということです。

「流れ」を理解することが大事、と。

では、その「流れ」を正しく追うためにはどうすればいいのか。

くわしく説明していきますね。

ついてきてください。

英検準1級の穴埋め問題の対策

ポイントは、次の4つです。

  1. 「タイトルから本文」の順で、素直に読みすすめる
  2. ディスコースマーカー(接続語句)に印をつける
  3. 問題箇所の「前後一文」を精読する
  4. 制限時間を体感しておく

それぞれ見ていきますよ。

「タイトルから本文」の順で、素直に読みすすめる

英検準1級の筆記試験では、今回の講義で取り扱っている大問2「穴埋め問題」のあとに、大問3として「長文読解問題」があります。

その長文読解では、選択肢の「設問ごとの先読みテクニック」が非常に有効なのですが(くわしくは「長文読解対策記事」を参照)

「穴埋め問題」では、
タイトルから読み始め、そのまま本文を読みすすめていく、という正攻法がもっとも効率的です。

下手に選択肢を先に読んだりする必要はありません。

まずは、この大原則を理解してください。

ちなみに、タイトルに意味の分からない単語があっても気にする必要はありません。

いきなりタイトルに知らない単語が出てくると焦っちゃうんですよねぇ
焦る必要は、まったくありません

第1パラグラフを読んでいけば、その文章が扱おうとしているトピックや方向性はじゅうぶんに理解可能です。

加えて、あらためて強調しますが、穴埋め問題では「前後の文の流れ」さえつかめれば正解を選べます

あせらず読みすすめてください。

ディスコースマーカー(接続語句)に印をつける

タイトルから読み進めながら、ディスコースマーカーに印をつけていきます。

ディスコースマーカーとは何か、あなたは知っていますか。

英文を読むにあたっては、ディスコースマーカーの理解は非常に大きなカギになりますので、知らない方はこの機会に必ず覚えておいてください。

ディスコースマーカー
文の流れや構造、文と文との論理関係を表す、単語や句です。
たとえば、「however」「in addition」「because of」などの接続語句がこれに当たります。

つまり、ディスコースマーカーとは、筆者が英文の「結論」や「主張」へ読者を正しく導くための「サイン」ということができます。

客観的に俯瞰してみましょう。

英検の「受験者(つまり、あなたです)」の立場から英文を読むと、いかに「正しく読むか」が合格のポイントになりますが

逆に英文の「筆者」の立場から見ると、読者にいかに「正しく読ませるか」が文章作成のキモになります。

率直に言って、筆者は自分の文章を「よりわかりやすく伝えたい」んです。

そのために使うツールが、ディスコースマーカということです。

だとすれば、私たち読者(受験者)は、そのディスコースマーカを道しるべに文章を読んでいけばよい、ということになります。

ディスコースマーカーを頼りに、文章を読んでいけばいいってことですね
そう。ディスコースマーカーは便利な「標識」なんですよ

じっさい、これを意識するだけで英文はずっと読みやすくなります。

この記事の最後では、じっさいに問題を解いている動画を用意していますので、ぜひそちらも参考にしてください。

問題箇所の「前後一文」を精読する

ディスコースマーカに印をつけながら読みすすめていれば、論旨の流れはつかめているはずです。

さらに最後の一歩、穴埋め問題で正解の選択肢を選ぶためには、問題箇所の「前後一文の精読」が必須です。

じつは、穴埋め問題の出題パターンは以下の2通りしかありません。

ディスコースマーカを選ぶ問題
・5~7語程度の短文を選ぶ問題

それぞれの解き方を見ていきます。

ディスコースマーカを選ぶ問題の解き方

「on the other hand」「in spite of」など、文の流れをきめる接続語句を選ぶ問題ですね。

ディスコースマーカー選択肢サンプル

この問題に対しては、問題箇所の「直前一文」と「直後一文」をよみ、文の流れがどう変わっているかを判断します。

たとえば
・逆の意味になっている
・内容が具体的になっている
・新たな内容が加えられている
等を判断し、それにあった選択肢を選びます。

当然ですが、正解となる選択肢は一つです。

ここで少しテクニカルな話をしますね。

もし、選択肢の中に同じような意味を持つ接続語句(例えば逆説の接続詞)が複数ある場合、その選択肢は正解ではありません

正解が2つあることになっちゃいますもんね
そのとおり

正解は一つなわけですから当然なのですが、英検準1級の過去問でも意外とこのパターンの選択肢があったりします。

頭の片隅に入れておくと、いざというときに役立ちますよ。

POINT
ディスコースマーカーを選ぶ問題で、同じような意味を持つ接続語句が複数ある場合、その選択肢は正解ではない。

ディスコースマーカー以外を選ぶ問題

多くの場合、5〜7語程度の短文を選ぶ問題です。

穴埋め選択肢準1のサンプル

この形式の問題でも、解き方は同じです。

ディスコースマーカに印をつけながら読んでいき、論旨の流れをつかんだうえで、問題箇所の「直前一文」「直後一文」を精読する。

こちらのタイプの問題も、文の流れさえつかめていれば、正解以外の選択肢は、あきらかに文意に沿わない内容になっています。

おちついて、文の流れを追って読むことを心がけてください。

制限時間を体感しておく

最後のポイントです。

ここまでお話ししてきた手順で落ち着いて解いていくことで、英検準1級の大問2「穴埋め問題」は比較的得点源としやすい単元になります。

ただし、このあとに控えている「長文読解問題」に十分な時間をかけるためにも、解くのにあまり時間をかけたくない問題でもあります。

そこで重要になるのが、解答時間を「体感できている」こと。

具体的にお話ししましょう。


英検準1級における、リーディングとライティングをあわせた、いわゆる「筆記」全体での解答時間は90分です。

筆記全体での解答時間の理想的な配分は、おおよそ以下のとおりとなります。

英検準1級の時間配分

上記のとおり、大問2の穴埋め問題は、全体で12分程度で終える必要があります。

英検準1級の穴埋め問題は全部で6問です。

つまり、1問あたりにかけられる時間は2分が目安になるということです。

POINT
英検準1級の穴埋め問題は1問2分で解く!

もちろん、各設問の難易度によって多少の前後は問題ありませんが
この「1問あたりに充てられる制限時間」を体感しておくことが、試験当日のペース配分、メンタルの落ち着きに大きく寄与します。

「ペース配分」「メンタルの安定」は合格に直結する要素です。

くりかえしますが、この制限時間の体感化は、本当に重要です。

過去問を使って勉強する際にも、かならず時間を計って解くようにしてください

えー、ちょっと面倒…
(ジロッ)

冗談ですって〜

過去問の解答を徹底解説

ここまでで、英検準1級の大問2「穴埋め問題」の解き方はわかっていただけたと思います。

あとは過去問を使って実践力を磨いていきましょう。

以下のページで、英検準1級の穴埋め問題の過去問の

  • 解答
  • 解き方

を、過去問を使ってくわしく解説していますので、ぜひ活用してください!

>>>英検準1級「過去問徹底解説」はこちら