英検2級「二次試験(面接・スピーキング)」の勉強法を徹底解説

英検2級スピーキング

こんにちは。トモです。

今回の講義は、英検2級の二次試験(面接・スピーキング)の対策です。

とても大切なことなので、まずは結論からお伝えしますね。

二次試験の対策をする上で、まず意識しておくべきことは、英検2級の二次試験は「スピーキング」の試験であり、「英会話の試験ではない」という点です。

え! 二次試験って英会話の試験じゃないんですか??
「スピーキング」と「英会話」はまったくの別物なんです

これが何を意味するかわかりますか。

どうしても「面接による試験」というと「英会話ができるかどうか」を判定されていると考えてしまいがちですが、英検2級においては、じつは英会話能力はほとんど重視されません

POINT
英検2級の二次試験は、英会話力は求められていない

ではいったい何が求められているのか。

具体的にお伝えします。

それは次の3つの能力です。

  • 英語を音読する能力
  • 英語で状況を説明する能力
  • 英語で自分の意見を述べる能力

くりかえしますが、会話のキャッチボールは求められていないんです。
(試験開始前に、ひと言ふた事、面接官と会話して「atitude(態度)」という形で採点されうる項目はありますが、そこでみられるのは、あくまでもコミュニケーションをとろうとする意欲です。)

会話のキャッチボールは求められてない!

ここにこそ、英検2級の二次試験突破のカギがあります。

とても大切なので、もう少し詳しく説明します。
ついてきてくださいね。

英検2級の二次試験(面接)の配点と合格点

あなたは英検2級の二次試験の試験内容は知っていますか?そしてその配点について把握していますか?

以下は、おおまかな試験内容と配点です。

2級スピーキング配点

合計で33点満点になりますが、合格点としては約60%の「22点」程度といわれています。(公式なアナウンスはありませんが、過去の実績からこの程度と言われています。)

だいたい60%とれれば合格かー

それぞれの内容を、簡単にみていきますよ。

まずは、それぞれの問題で「英会話能力は求められていない」ことを理解してください。

1.カードの音読

20秒の黙読の時間を与えられたあと、60語程度の英文を音読する試験です。

A New Service for Parents
It can be troublesome for parents with young children to go shopping in crowded places. For this reason, more shopping centers have started offering their customers children services. Some customers with children choose shopping centers that provide these services. In this way, they do their shopping more easily. Such services are becoming available even in places such as theaters and hospitals.
日本英語検定協会:https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/virtual/grade_2/pdf/grade_2.pdf

音読するだけですから、もちろん英会話(会話のキャッチボール)は求められていませんね。

2.音読した英文についての質問に答える

さきほど音読しだ英文に関する質問がされますので、
答えが書かれている部分を探し出し、質問の形に合わせて答えます。

カードに答えが書かれているんですから、これも「英会話」ではありませんね。

3.イラストを見て、その状況をナレーションする

3コママンガのようなイラストを見て、流れに沿って、英語で状況を説明します。

2級ナレーションイラスト例
日本英語検定協会:https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/virtual/grade_2/pdf/grade_2.pdf

面接官との意見のやり取りなどはなく、ただ状況を英語で説明するだけです。
(だから簡単だ、ということではなく、英検2級の面接では会話能力は求められていない、ということの説明です。)

4.自分の意見を英語で述べる

面接官から、2つ質問されます。

  1. 音読したカードの内容に関連した質問
  2. 受験者自身の意見などを問う質問

ただし、ここでも、自分が述べた意見について、さらに面接官が質問を重ねてくる、ということはありません

つまり…
そう

やっぱり、会話のキャッチボールは求められていないということです。

  • 自分の意見を
  • 理由をつけて述べる

これで終了なんです。


どうですか。

こうして見ていくと、英検2級の二次面接では、いわゆる「英会話」の能力は求められていないことが、よくわかっていただけると思います

具体的にブレイクダウンすると

  • 英語で音読ができ
  • 英語で状況を説明でき
  • 英語で自分の意見を述べることができる

これが英検2級の二次試験面接(スピーキング)で求められていることなんです。

箇条書きにすると、頭がスッキリ整理できますね

では、これら求められていることに対して、どうやって対策をすればいいのか

それをこれから順番に説明していきますね。

1.音読のポイント

音読では以下の3点を意識してください。

  • ゆっくりと読む
  • 単語ははっきりと発音する
  • 意味の区切りでポーズ(一拍)をいれる

ネイティブが話すような感じでペラペラと早く話す必要は、まったくありません。

逆に、緊張のあまり、焦って早く話してしまうという方は、「ゆっくり」を意識してください。

要は「自分はこの英文をしっかり理解できていますよ」ということを面接官に伝わるように、

「単語の発音」や「意味の区切りでのポーズ」を行うのです。

参考に英文サンプルとその音声データをあげておきますね。
(わたし自身は、この程度の英語で英検準一級も合格しています。)

英検2級ナレーションサンプル

2.音読したカード内容に関する質問に答える

さきほど音読しだ英文に関する質問がされますので、
答えが書かれている部分を探し出し、質問の形に合わせて答えます。

ここでうまく答えるには、コツがあります

つなぎ言葉に注目することです。

たとえば、先ほどのカードを使って、次のような質問がきたとします。

【質問】

According to the passage, how do some customers with children do their shopping more easily ?

 

【直訳】
パッセージ(一節)によると、子ども連れのお客さんはどうやって買い物をよりしやすくしますか?

この答えはどこにあるでしょうか。

それは、先ほどのカードの文章中の「つなぎ言葉」に注目すればいいんです。

今回の文章で言えば、以下で赤く囲っている「in this way」の部分です。

2級面接カード①

印をした部分を訳すと、
このようにして(in this way)、彼らは買い物をよりしやすくする」となります。

質問は「どのようにして(how)、環境を良くしようとしますか」なので、答えはつなぎ言葉(in this way)の直前にあるはずですよね。

つまり、以下の緑の部分が答えになるということです。

2級面接カード②

具体的な答え方としては、

「How」で聞かれているので、Many familiesを省略し
By choosing shopping centers that provide childcare services. 」(子どものケアサービスを提供するショッピングセンターを選ぶことによって)

と答えればOKです。

POINT
2級の面接で出てくる主なつなぎ言葉は以下のとおりです。

  • in this way, (このようにして)
  • so, (だから)
  • by doing so,(そうすることによって)
  • as a result, (その結果)

音読する際に、あらかじめこれらのつなぎ言葉をチェックしておくことで質問にもすばやく答えることができます。

注意
面接官の質問は「How」か「Why」で始まることがほとんどです。次のように覚えておきましょう。

  • 質問が「How」で始まったら:By 〜ing….で答える
  • 質問が「Why」で始まったら:Because 〜(主語を代名詞に置き換えて)で答える

3.イラストのナレーションをするポイント

3コマ漫画のようなイラストを見て、状況を英語で説明する問題です。

2級ナレーションイラスト例
日本英語検定協会:https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/virtual/grade_2/pdf/grade_2.pdf

この問題を攻略するポイント

  • イラスト中に書かれている英文はすべて使う
  • 時制は「過去形」もしくは「過去進行形」を使う
  • 登場人物の行動、感情にフォーカスする

の3つです。

この3つを意識して練習すれば、かならず合格レベルに達することができます。

ここはとても大事なポイントなので、くわしく説明しますよ

はい、具体的にお願いします!

イラスト中に書かれている英文はすべて使う

ナレーションの準備のために与えられる時間は、たった20秒しかありません。

なので、準備の時間でナレーションする英文をすべて考えることは現実的ではありません。

準備の20秒では、イラストに描かれている英文をザッと読んで、なんとなくの流れをつかみます

2級ナレーションイラスト例

たとえば、こんな感じです。

  • 夫婦は、自分たちが買い物をしている間、子どもを見てくれているサービスがあることを知って
  • 10分後、二人は子どもをあずけることに決めて
  • 2時間後、父親は子供のおもちゃを選ぶのに夢中になっていたけど
  • 母親は子供のことが気になっていた

準備の20秒間でこれぐらいの流れをつかみ、「Please begin」と言われたらナレーションを始めます。

ナレーションのポイントは、イラストにすでに書かれている英文をすべて使うということです。

さきほどのイラストを例にすると

  • They’ll take care of our baby while we look around.
  • Ten minutes later
  • Two hours later at the gift shop

これらは、どんどん使わせてもらいましょう

どのように使うのかは、このあと参考に紹介しますね。

時制は「過去形」もしくは「過去進行形」を使う

ナレーションでは、すべて過去時制を使うようにしましょう。

さらに、イラストの内容に合わせて「過去形」「過去進行形」を使い分けることで、より的確なナレーションをすることができます。

先ほどのイラストで言うと、

2級ナレーションイラスト例

1枚目は、男性が女性に、買い物中に子どもを見てくれているサービスがあるよと「言った」と過去形を使い

3枚目では、女性が「心配していた」と過去進行形を使う、といった感じです。

登場人物の行動、感情にフォーカスする

ナレーションを行う際は、「漠然と目に付いたものを英語にしていく」というやり方では、「うまくできる時」と「できない時」にバラつきが生まれてしまい、ただでさえ緊張する本番でのパフォーマンスが、不安定になってしまいます。

そう、上手くいく時といかない時があって、「その日の運」みたいになっちゃうんですよねぇ

そうならないために、
自分なりの方法・法則をもっておくことが大事です。

具体的には、人物の「行動」と「感情」にフォーカスするやり方です。

基本的には、以下の順序で話していけば自然な形でナレーションできます。

STEP.1
「行動」にフォーカス
  • メインとなる人物が「どこで」「何をしていた
  • それ以外の人物が「何をした
STEP.2
「感情」にフォーカス
  • メインとなる人物は「どう思った(感じた)
  • それ以外の人物は「どう思った(感じた)

じっさい、先ほどの例ではどうなるか、以下に参考に載せておきますね。

2級ナレーションイラスト例

  • 男性が「They’ll take care of our baby while we look around.」と女性に言った。(行動)
  • Ten minutes later」、彼らは子どもをあずけることに決め、荷物をロッカーに入れた。(行動)
  • 彼女は絵画を見るのを楽しみにしていた。(感情)
  • Two hours later at the gift shop」、男性は子供のおもちゃを選ぶのに夢中になっていた。(行動)
  • 一方、彼女は子供のことが気になっていた(感情)

といった感じです。

もちろん、決まった正解などはありませんが、多少たどたどしかろうが、このように「行動」+「感情」を拾っていけば、じゅうぶん合格レベルのスピーキングができます。

なんか、これならできるかも…!

POINT
ナレーションでは、「行動」+「感情」を話していけば合格レベルに到達できる

4.英語で自分の意見を述べるポイント

英検2級二次試験の最後のパートです。

ここで使えるのは、じつは「英作文(ライティング)の知識」です。

あなたが今、英検2級の二次試験対策をしているということは、一次試験試験は合格した、もしくは合格できそうということですよね。

であれば、あなたはすでに、一定の英作文(ライティング)の力をもっているということです。

そしてその力があれば、基本的に二次試験には受かる実力があるということを意味します。

スピーキングとライティングには共通点があるってことですか?
大あり、なんです

POINT
スピーキングでは、ライティングの知識が使える!

では具体的に、英作文(ライティング)の、どの知識が面接で使えるのかを説明します。

結論+理由の順で話す

英作文(ライティング)では、

  • イントロダクションで、あなたの意見
  • ボディ(本文)で、その理由
  • コンクルージョンで、改めてあなたの意見

を書きましたよね。(下図参照)

ライティングの基本構成

ライティングとスピーキングでの違いは1つです。

ライティングでは、ある程度の量があるので「コンクルージョン」としてあらためて結論を書いたのに対し、スピーキングでは必要ないということです。

図にすると、こんな感じでOKです。

2級スピーキング構成

まずYESかNOを言って、そのあとBecauseで理由を話せばOKって感じか〜

1問、例題を実際にやってみましょう。


<質問>
Today, many people buy secondhand goods such as used books and used clothing.Do you think more people will buy secondhand goods in the future?

 

<直訳>
今日では、多くの人が古本や古着のような中古品を買います。あなたは、将来もっと多くの人が中古品を買うようになると思いますか。

答えは、YES・NOどちらでも、まったく構いません
あなたが答えやすい方で答えてください。

あ、ここも英作文と同じだ

今回は「YES」として、以下の図の流れに沿って解説しますよ。

2級スピーキング構成

  • Yes. I think so.
  • Because these days, there are many secondhand goods store. So, more people will get familiar with it.

言葉で解説すると、以下のような感じです。

  • まずはじめに、YESかNOかの結論を述べて
  • つぎにその理由を2文程度で話す
ライティングで合格点をとれたあなたなら、絶対にできます

できそうな気がしてきた!

唯一、英作文と違う点は、ある程度の瞬発力が求められるということです。

この瞬発力については、二次試験対策として、しっかり練習しておきましょう。

パターン練習
過去問の傾向から、じっさいの面接を想定した「質問」「回答例」パターンを以下のページでまとめています。練習して万全の準備をして試験に望みましょう。
>>>【英検2級面接対策】問題サンプル集と解答例パターン一覧(20パターン)

面接で使えるフレーズ・表現のまとめ

ここまで学んできた対策で、
英検2級対策の基本はバッチリです。

あとは

  • 本番の面接で使えるフレーズや表現を覚えて
  • それをすぐに口に出せるようにしておく

の2点をおさえてください。

便利で役立つフレーズに関しては以下の記事にまとめています。
ぜひ活用してくださいね。

>>>英検二次試験面接で使えるフレーズをまとめて紹介

英検2級二次試験対策は過去問で

二次試験対策用の参考書なども多く出ていますが、

今回お話したセオリーを理解しておけば、あとは過去問を使って練習するだけで基本的には合格ラインまでいけるはずです。

過去問以外の書籍としては、
定番である「旺文社の英検二次試験対策本」がやはり丁寧にまとまっています。

ただし、回答例である英文の内容のレベルがやや高い印象を受けるので、「こんなに話せない…」と不安になってしまう可能性もあるのかなと思います。

回答例のハードルの高さに惑わされない自信がある方は、付属のDVDなどで当日の試験までの流れなども細かく載っていますので、買ってみてもいいと思います。

それでは、英検2級の合格まであと少し。

応援していますのでがんばってください!