こんにちは。トモです。
今回の講義は、英検2級のリーディングパート大問3「長文読解問題」の対策です。
大切なので繰り返しますが、
英検2級に合格するためには、一般的な英語能力を高めておくことはもちろんですが、それに加えて、「英検に固有の問題形式」を理解し、対策をしておくことが非常に大切になります。
テクニックばかりを追ってはいけませんが、「ツボ」はあります。
特に、大問3「長文読解問題」については、公式化できる解き方がありますので、これを必ず身につけてください。
それでは、さっそく始めましょう。
英検2級の長文読解問題の対策
英検2級の大問3「長文読解問題」は全部で3問あり、それぞれ「A」「B」「C」とアルファベットが振られています。
内訳は以下のとおりです。
- 「A」は、メール形式の比較的平易な英文
- 「B」「C」は、歴史・科学・環境などのアカデミックな英文
ほぼ毎回、上記のとおり出題されます。
それぞれに効果的な解き方がありますので、くわしくみていきましょう。
英検2級「長文読解A」(メール問題)の解き方
比較的やさしい英文で書かれていますので、以下の順番で解いていくことで、正答を選べます。
それぞれをくわしく見ていきましょう。
1.メールのヘッダ(From・To・Subject)を読む
- 「誰から(From)」「誰へ(To)」のメールなのか
- 「Subject」(件名)の内容
には、そのメールの内容を読み取る、とても重要なヒントが含まれています。
とくに「ドメイン名」にはヒント満載です。
※ドメイン名とは
「〇〇〇〇@gmail.com」の「@gmail.com」の部分のことです。
仕事のやりとりのメールであれば、ドメイン名には社名などが書かれているケースが多く、社名からは仕事の内容もわかったりします。
「From」の例
本文を読む前に、メールの送り主が本屋だということが分かるだけで、内容の理解がぐっとスピーディーになります。
また、「Subject」には、ずばりダイレクトにメールの内容が示されていますので、絶対に確認してください。
以下の例で言えば、
「Your recent purchase」ということで、お店から購入者へのメールであることが一発で分かりますよね。
「Subject」の例
こういった読み方ができると、
設問や本文を読む前に内容のイメージをもつことができて、大きなアドバンテージを得られます。
2.1問目の設問を読む
英検2級の長文問題の設問は、基本的に英文の流れに沿って出題されます。
これは非常に大事な知識です。
つまり、
最初の設問の答えは、基本的に英文の初めのほうにある、ということです。
わかりやすく図示すると、以下のようになります。
ですので、メールの本文を読み始める前に、一番最初の設問を読み、その答えを探しながら英文を読みすすめていけば良いのです。
3.1問目の設問の答えを探しながら、本文を読む
絶対に、漠然と読み始めてはいけません。
しつこいようですが、本当に大事なのでくりかえします。
設問の答えを探しながら読むのです。
読む視点がはっきりしていますから、漠然とよみすすめるよりも格段に効率よく、正解の情報を探すことができますよ。
もちろん、「あ、このあたりが設問で問われている部分だな」とわかったら、その部分については精読し、正しい答えを選べるよう注意してよく読んでください。
4.1問目の問題の答えをマークする
あとは、先ほどの作業のくりかえしです。
・つぎの設問を読み
・その答えを探しながら本文の続きを読んでいき
・答えをマークする
英検2級の大問3「長文読解」の「A」の英文は、比較的平易ですから、この流れに従い、あせらずていねいに読んでいけば、必ず正答を選ぶことができます。
英検2級「長文読解B・C」の解き方
いよいよ長文問題の本丸です。
英文の量も、英検2級の長文らしいボリュームがあります。
でも、安心してください。
じつはこの長文問題も、先ほどの長文問題「A」と同様、設問は英文の流れに沿って作られています。
さらに、設問とパラグラフの関係も、ほとんどの長文で、こんなふうに簡単に整理することが可能です。
- 1つ目の設問の答え⇒本文第1パラグラフにある
- 2つ目の設問の答え⇒本文第2パラグラフにある
- 3つ目の設問の答え⇒本文第3パラグラフにある
これも図にしてみましょうか。
ごくまれに例外もありますが、問題はほぼこのように作られています。
この知識があることで何が良いのかというと、
長文問題を「短文問題」として解くことができる、ということなんです。
つまり、1問目の答えは第1パラグラフを読めばわかる。
これはもはや長文読解ではなく、短文読解ですよね。
この構成を知っていれば、
- 正しい答えを選べる確率がグッと上がりますし、
- 解答時間を圧倒的に短縮することが可能です。
ということで、解く手順としては、先ほどの長文問題「A」とほぼ同じです。
タイトルについて
英文のタイトルについては、見たことのない単語等もあって、意味がわからないケースもあると思いますが、まったく気にする必要はありません。
もちろん、タイトルの意味がはっきりわかればいいに越したことはありませんが、わからないことで、あせったり不安になったりすることが一番よくないです。
タイトルの意味はわからなくても、問題は解けます!
ですので、手順に沿って冷静に、すすめていってください。
パラフレーズ(言い換え)された選択肢を見抜く
設問とパラグラフの関係は理解できましたね。
つぎは、実際に問題を解くにあたって役に立つ「視点」の話です。
結論から言うと、
本文に書かれている言葉を「パラフレーズ(言い換え)」した選択肢があれば、それが正答の確率が高いんです。
過去問から、具体的な例をあげると、
本文に
- without affecting the taste
とあり、選択肢に
- tastes good
という文言がありました。
これが「味に影響を与えることなく」=「味は良い(≒良いまま)」と言い換えている(パラフレーズしている)ことに気付けることが大切ということです。
最後の設問に注意!
ただし、ひとつだけ注意すべきポイントがあります。
とくに長文「C」の英文で顕著ですが、最後の設問のみ、英文全体を読んで答えを選ぶ問題が出題される傾向があります。
具体的には、以下のような設問です。
Which of the following statements is true ?
(つぎの選択肢で、正しいものはどれか?)
この設問の選択肢は、各パラグラフから広く作られていることが多いです。
ですので、どこかのパラグラフだけをよめば答えがわかるということはありません。
ただ、これまで読んできた内容がある程度頭に残っていれば、当たりをつけることが可能なので、落ち着いて正答を選んでください。
もし、どうしても当たりがつけられそうもなかったら、可能な限りの選択肢を切った後、残りは感覚でマークするというのも一つの手です。
もちろん大切な1問ではありますが、
あなたの目標は全問正解ではなく、英検2級に合格することのはずです。
さいごに、制限時間を体感しておく
大問1の「語彙問題」、大問2の「穴埋め問題」の対策でもお話ししましたが
長文読解問題においても「制限時間の体感化」は必須です。
この長文問題のあとに控えているライティング(英作文)はもちろんですが、
少し裏技的になりますが、リスニング問題の「先読み」のためにも、じゅうぶんな時間を確保しておきたいためです。
(英検2級のリスニング問題では、この「先読み」がどれくらいできているかで、正答率が格段に変わります。)
このためにも、制限時間を「頭で理解する」のではなく、「体感できている」状態にしておく必要があります。
具体的にお話ししましょう。
英検2級における、リーディングとライティングをあわせた、いわゆる「筆記」全体での解答時間は85分です。
筆記全体での解答時間の理想的な配分は、おおよそ以下のとおりとなります。
上記のとおり、大問3の長文読解問題は全体で24分程度で終える必要があります。
英検2級の長文読解問題は全部で12問です。
つまり、1問あたりにかけられる時間は2分が目安になります。
もちろん、各設問の難易度によって多少の前後は問題ありませんが
この「1問あたりに充てられる制限時間」を体感しておくことが、試験当日のペース配分、メンタルの落ち着きに大きく寄与します。
「ペース配分」「メンタルの安定」は合格に直結する要素です。
過去問を使った学習をする際は、かならず制限時間を計り、体感化することを意識してください。
過去問の解答を徹底解説
ここまでで、英検2級の大問3「長文読解問題」の解き方はわかっていただけたと思います。
あとは過去問を使って実践力を磨いていきましょう。
以下のページで、英検2級の長文読解問題の過去問の
- 解答
- 解き方
をくわしく解説していますので、ぜひ活用してください!