こんにちは。トモです。
今回の講義は、英検2級のリスニング(第1部)の対策です。
英検2級のリスニング第1部は、「男女の会話」の内容が一致している選択肢を選ぶ問題です。
一般論としてリスニング能力を向上させるためには、ある程度の単語を知ったうえで、じっさいに文章として発音される際におこる、日本語にはない英語の特徴
- 音がつながる(連結)
- 発音されない音がある(脱落)
- 前後の単語との影響で音が変わる(同化)
などを理解し、それに慣れておく必要があります。
ですが、これら英語の特徴への対策は、なにも英検2級に限ったものでないため、今回の講義では扱いません。
この講義では、英検2級に受かるための、
「英検2級のリスニング問題」に特化した、具体的な対策について解説していきます。
それでは始めましょう。
今日の講義の流れ
英検2級リスニングは2部に分かれている
英検2級のリスニングパートは
- 第1部(男女の会話)
- 第2部(50~70語程度の英文)
に分かれています。
「英検2級合格」という目的を達成するためには、漠然とリスニングの問題を解いているだけでは遠回りになります。
第1部、第2部それぞれの出題形式を知って、具体的に対策をすることが大切です。
今回の講義では「第1部」の対策をお話しします。
(第2部の講義はこちら:英検2級「リスニング(パート2)の勉強法を徹底解説」)
英検2級リスニング(第1部)の対策
第1部は、男女二人の会話を聞いて、その内容に一致する選択肢を選ぶ問題です。
対策のポイントは、以下の4つです。
- 選択肢の先読みとマーキング
- 「会話の冒頭」に集中する
- 「話し手の感情」を把握する
- 質問のパターンを事前に頭に入れておく
これからその4つについて、詳しく見ていきますが、
その前に英検2級のリスニングを攻略するために、まずやっていただきたい作業がありますので、まずはそれからお話ししますね。
過去問を日本語で読み、英検2級リスニングのレベルをつかむ
実践している人は比較的少ないですが、
英検2級のリスニングで合格レベルの点をとるために、これはとても有効な方法です。
リスニング対策というと、あなたはこんなやり方をしていませんか?
・問題を聞いて
・答えを書いて
・合ってるかどうか確かめる
はっきり言って、
これはリスニング対策ではなく、ただ自分の現状の実力を確かめているだけです。
勉強してるはずが、「ただ自分の実力を確かめているだけ」では、実力はあがりませんよね。
「英検2級合格」を目指しているのであれば、まずは「英検2級の問題」のレベルをよく知っておくことが大切なんです。
では、どうやって知るのか。
それは、
実際に読まれる英文(スクリプト)を、日本語に訳し、問題のレベルを把握するということです。
具体的にやってみましょう。
以下は、実際の英検2級リスニングの「会話文」と「質問」、「選択肢」の日本語訳です。
【会話】
A:もうすぐお母さんの誕生日だね。なに買おうか?
B:宝石なんかどう?
A:ちょっと高いかな。彼女は料理が好きだから、料理の本なんかどう?
B:OK。明日学校終わったらショッピングモールの本屋に買いに行こう。
【質問】
この男の子と女の子は、明日、おそらく何を買うでしょう。
【選択肢】
1.学校で、誕生日会をやる
2.プレゼントに宝石を買う
3.彼らのお母さんのために本を買う
4.家で、一緒に夜ご飯をつくる
どうですか?
日本語にすると、とてもストレートでわかりやすい内容だと感じませんか?
英検も準1級程度になると、ひとひねりされた会話が出題されたりもするのですが、2級は、会話の内容・質問ともに、とても素直な内容です。
もちろん、これが英語で話されるわけですから、なかなか簡単には聞き取れないと思います。
ただ、ここで理解してほしいことは、
「こういったレベルの内容が話されているんだな」ということを、事前に知っておくことが、とても試験に役に立つ、ということです。
さきほどの日本語訳を読むことで、英検2級のリスニングは何か難しいことを言っている、という先入観をなくしてしまってください。
これが英検2級のリスニング攻略の第一歩です。
では、いよいよ具体的な試験対策に入っていきましょう。
選択肢の先読みとマーキング
長文問題などでもそうですが、選択肢を先読みして、問題のポイントの目星をつけたうえで解答するテクニックは一般的だと思います。
英検2級のリスニングにおいても、この「選択肢の先読み」は必須です。
ただし、時間が限られていますので、やみくもに選択肢を読むだけでは大した効果はあがりません。
短時間、かつ効果的に先読みする必要があります。
ポイントは以下の二つです。
- すべての選択肢に共通した単語は無視する
- キモとなりそうな語(動詞や名詞)に印をつける
重要なことは、
すべての選択肢の内容を理解しようとするのではなく、
- 重要だと思われるポイントに
- 「機械的に」印をつけていく
ということです。
英検2級のリスニング第1部の問題は15問あります。
数問だけを丁寧に先読みするより、機械的に短時間で15問全部に印をつけてしまうことが、合格へのコツです。
先読みを短時間ですませられるということは、仮に筆記で時間が余らなかった場合でも、問題の説明がテープで流れている間に済ませることも可能になるということです。
じゃあ、どうやって印をつけていけばいいのか。
さきほどの2つのポイントごとに具体的に例を出しますね。
すべての選択肢に共通した単語は無視する
以下のような感じでマーキングします。
ここでは、「It (is)」はすべての選択肢に共通しているので、解答の際には意識する必要はありません。
思い切って無視してしまいましょう。
それ以外の内容の部分に下線を引き、パッと違いが目に入るようにしておきます。
この時、選択肢の内容を熟読する必要はありません。
あくまで機械的にマーキングし、質問が流れたあとの解答時間の中で、下線部分から素早く判断するんです。
たかが下線ひとつですが、これを引いているだけで、正答を選ぶスピードが驚くほど上がります。
キモとなりそうな語(動詞や名詞)に印をつける
さきほどの「すべての選択肢に共通した語を無視する」ことに加え、キモとなる部分に印をつけます。こんな感じです。
「He」や「them」は全部同じなので、それ以外の部分の違いがパッと目に付くように印をつけるんです。
もちろん、印は〇や下線でなくても構いません。
重要なのは、選択肢ごとの違いが一目でわかるようにマーキングするということです。
先読みはあくまで問題を解くための「準備」です。
質問のあと、いかに素早く正しい選択肢をえらべるか、がポイントです。
このマーキングについては、画像での説明に加え、この記事の最後に動画でもくわしく解説しています。
10分程度の短い動画ですが、先読みのエッセンスがつまっていますので、ぜひ参考にして身につけてくださいね。
「会話の冒頭」に集中する
英検2級のリスニング第1部は、男女の会話の「一部が切り取られて」出題されます。
長文問題のように、起承(転)結の順で話されるわけではないので、まずは会話の「トピック」「状況」について、いち早く理解する必要があります。
トピック、状況を素早く理解するためには、会話の冒頭の聞き取りがポイントになります。
- どこで
- 誰と誰が
- 何について
会話しているのかをつかむため、会話の冒頭は特に注意深く聞くよう、意識してください。
「話し手の感情」を把握する
英検2級を受けようとするあなたにとっては、当然、英検2級の問題は余裕で解けるレベルではないですよね。(だからこそ、試験を受けているわけです。)
リスニングにおいても、すべての単語が聞き取れることは無いと思います。
それを前提として、先ほどの「会話の冒頭に集中する」に加えて、「話し手の感情を把握する」ことを意識してください。
第1部は男女の会話ですので、しばしばふたりの感情の違いが問題のキーポイントになります。
- 困っているのか
- 言い争っているのか
- 喜んでいるのか
- 感謝しているのか
などなど、会話のトーンから判断し、その「理由」や「解決案」を聞き取るように意識すると、比較的スムーズに問題を解くことができることが多いです。
質問のパターンを知っておく
英検は、ご存知のとおり歴史ある試験です。
すると、各回ごとに試験の体裁や趣向が変化してしまうと、試験としての一貫性が保たれなくなってしまいます。
何が言いたいかというと、「試験の出題パターンはある程度決まっている」ということです。
英検2級のリスニング第1部でいうと、設問の際に使われる疑問詞は「what」「why」が圧倒的に多いです。
【実際に試験にでた設問例】
・What will the boy probably do next?
・What does the woman say about the Dragons?
・Why will the woman be late for work?
・Why is the man upset with the airline?
・What is one thing the man says to the woman?
などなどです。
もちろん、「how」「where」など、他の疑問詞を使った質問もありますが、典型的な設問パターンを把握しておくと、リスニングしている最中にも、「ここらへんから問題が出そうだな」という気配がわかるようになります。
英語を勉強する目的は人それぞれだと思いますが、今、あなたは「英検2級に受かる」ことを目標にしていますよね。
であれば、このように決まった傾向のある試験については、そのための対策をとりましょう。
先ほど挙げた設問例を参考に、質問のパターンを体感しておいてください。
これだけでも結果はかなり違ってきますよ。
引き続き、
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