こんにちは。トモです。
今回の講義は、英検2級のリスニング(第2部)の対策です。
第1部の対策は以下で解説しています。
2部の対策は、1部の対策を知った上で学ぶことで、より学習効果が高まりますので、1部の対策を読んでいない方はこちらを先にお読みください。
英検2級リスニング(第2部)の対策
第2部は、50~70語程度の英文が読まれ、その内容と正しい選択肢を選ぶ問題です。
対策のポイントは、以下の3つです。
- 日本語訳スクリプトで出題レベルを知る
- 「選択肢の先読み」
- 「会話の冒頭」に集中する
順番にくわしく見ていきましょう。
日本語訳スクリプトで出題レベルを知る
第1部でもお話ししましたが、英検2級のリスニングで合格レベルの点をとるために、これはとても有効な方法です。
相手のレベルを知らずして、効果的な対策をすることはできません。
「英検2級合格」を目指しているのであれば、まずは「英検2級の問題のレベル」をよく知っておくことが大切なんです。
問題のレベルを知るためには、どうしたらいいのか。
それは、実際に読まれる英文(スクリプト)を、日本語に訳し、問題の程度を把握するということでしたね。
実際にやってみましょう。
以下は、実際の英検2級リスニング第2部で流れた「英文」と「選択肢」の日本語訳です。
【放送された文】
パーカー夫人はカリフォルニアに、彼女の息子であるニックと一緒に住んでいる。彼女はパソコンを使うのが苦手なので、ふだんはニックが彼女を手伝っている。しかし、ニックは新しい仕事を得たので、もうすぐテキサスに引っ越す予定だ。パーカー夫人はそれを喜んでいるが、テキサスは遠い。彼女はコンピューターを使うのを手伝ってくれる人がいなくなることを心配していた。しかし、ニックはちょくちょく家に戻ってきて、その間は手伝ってあげることを約束した。
【質問文】
なぜパーカー夫人は心配しているのか?
【選択肢】
1.彼女はもうすぐ新しい仕事を始める予定だから
2.彼女はコンピューターを使うのに助けが必要だから
3.彼女はテキサスに引っ越したくないから
4.彼女はカリフォルニアの家を売ることができないから
どうですか?
第1部の「会話問題」と比べると、すこし難しくなったと感じるかもしれません。
でも、日本語で読めば、答えは簡単にわかりますよね。
それは当然で、英検2級のリスニングは「長文問題」のように、正確な読解力を求められているわけではないからです。
こまかいニュアンスにとらわれずに、話の大筋を把握することで、正しい答えを選ぶことができるように作られています。
このように、出題される英文のレベルを事前に知っておくことは、試験勉強にとても役立ちます。
さきほどの日本語訳を読むことで、英検2級のリスニングは何か難しいことを言っている、という先入観をなくしてしまってください。
英検2級のリスニング第2部の英語の内容を知ったところで、いよいよ具体的な対策をおこない、合格レベルまで実力をあげていきましょう。
ついてきてくださいね。
選択肢の先読みのやり方
第1部と同様、選択肢の先読みは必須です。
先読みするうえで意識しておく重要なポイントは
すべての選択肢の内容を理解しようとするのではなく、的確な箇所に「機械的に」印をつけていく、ということです。
重要なので繰り返します。
- 先読みした選択肢の内容を覚えておく必要はない
- 「機械的に」マーキングしていく
こうすることで、じっさいに英文が読み上げられた後の短時間で、正しい選択肢を選びやすくなります。
マーキングのポイントは以下の2つです。
- すべての選択肢に共通した単語は意識から外す
- キモとなりそうな語(動詞や名詞)に印をつける
英検2級のリスニング第2部の問題は15問あります。
数問だけを丁寧に先読みするより、機械的に15問全部に印をつけてしまうことが、合格へのコツです。
第1部の解説でもお伝えしましたが、マーキングの具体例をあらためて紹介します。
すべての選択肢に共通した単語は無視する
以下のような感じでマーキングします。
ここでは、「It (is)」はすべての選択肢に共通しているので、解答の際には意識する必要はありません。
思い切って無視してしまいましょう。
それ以外の内容の部分に下線を引き、パッと違いが目に入るようにしておきます。
この時、選択肢の内容を熟読する必要はありません。
あくまで機械的にマーキングし、質問が流れたあとの解答時間の中で、下線部分から素早く判断するんです。
たかが下線ひとつですが、これを引いているだけで、正答を選ぶスピードが驚くほど上がります。
キモとなりそうな語(動詞や名詞)に印をつける
さきほどの「すべての選択肢に共通した語を無視する」ことに加え、キモとなる部分に印をつけます。こんな感じです。
「He」や「them」は全部同じなので、それ以外の部分の違いがパッと目に付くように印をつけるんです。
もちろん、印は〇や下線でなくても構いません。
重要なのは、選択肢ごとの違いが一目でわかるようにマーキングするということです。
このマーキングについては、画像での説明に加え、この記事の最後に動画でもくわしく解説しています。
10分程度の短い動画ですが、先読みのエッセンスがつまっていますので、ぜひ参考にして身につけてくださいね。
先読みはいつやるのか?
選択肢の先読みの重要性をお伝えしてきましたが、
じゃあ、その先読みっていつやるの?という疑問がありますよね。
一番の理想は、筆記を制限時間よりも早めに終わらせて、残った時間で先読みをやってしまうことです。
ただ、なかなかそんな余裕はないのも現実だと思います。
そんな時は、リスニングパートがはじまって数分間ある、問題の説明がテープで流れている時間を利用することも可能です。
「会話の冒頭」に集中する
英検2級のリスニング第2部は、50~70語程度の英文が出題されます。
第1部の男女の会話のように、「会話の一部」が流されるわけではないので、ある程度、論理的に話がすすみます。
その意味では、話の流れは推測しやすいのですが
冒頭で英文の「トピック」や「状況」を聞き逃すと、話に置いていかれてしまう恐れがあります。
とくに英語では顕著ですが、話の重要なポイントや状況の説明は、とにかく冒頭に提示されることがほとんどです。
じっさいの過去問で使われた英文を見てみましょうか。
【英文スクリプト】
Welcome to California Car Rental. Please have your driver’s license ready to show to our staff members. We won’t be able to rent a car to you without seeing your license first. Also, please be aware of the local traffic safety laws in California. There is a copy of the laws in each car. If you need directions to your destination, maps are available at the costomer service counter.
【質問文スクリプト】
What is the first thing customers at California Car Rental must do?
この問題などは、第1文で「レンタカー屋の店員が話しているんだな」という状況が把握できれば、
- 「driver’s lisence」免許証
- 「destination」目的地
- 「safety laws」安全法
などの単語も、スッと頭の中に入ってきやすいですよね。
このように、問題を解くにあたっては
話される英文の「トピック」や「状況」などを把握することがとても大切です。
そしてそのヒントは、冒頭にあることが多いということです。
ちなみに、
この問題では、正答の根拠となる英文も冒頭(第2文)で話されますので、冒頭を聞き逃すと正答がむずかしくなる典型的な問題といえます。
このように、正答の根拠が冒頭にくる英文はもちろん言うまでもありませんが、
そうでない問題であっても、トピックや状況の把握に必要な情報は「冒頭」で話されることがとても多いです。
「会話の冒頭」は特に注意深く聞くよう、意識してください。